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平成21年12月10日、伊波洋一宜野湾市長が、日テレNEWS24の番組「代表質問」に出演し、普天間基地移設問題に関するインタビューを受けましたので、その内容についてお知らせします。 日テレNEWS24「代表質問」 http://www.news24.jp/articles/2009/12/11/04149543.html
※以下、「普天間基地グァム移転の可能性について」市長説明資料を掲載します。
与党国会議員向け説明資料 2009/12/11 「 普天間基地のグアム移転の可能性について」 伊波洋一(宜野湾市長) 1.海兵隊のグアム移転が司令部中心というのは間違い。沖縄海兵隊の主要な部隊が一体的にグアムへ移転する。普天間飛行場の海兵隊ヘリ部隊も含まれる。
● 「再編実施のための日米のロードマップ」(2006年5月1日)は次の通り。 「約8000名の第3海兵機動展開部隊の要員と、その家族約9000名は、部隊の一体性を維持するような形で2014年までに沖縄からグアムに移転する。移転する部隊は、第3海兵機動展開部隊の指揮部隊、第3海兵師団司令部、第3海兵後方群(戦務支援群から改称)司令部、第1海兵航空団司令部及び第12海兵連隊司令部を含む。」 「沖縄に残る米海兵隊の兵力は、司令部、陸上、航空、戦闘支援及び基地支援能力といった海兵空地任務部隊の要素から構成される。」 同時に、X字型の1800メートルの滑走路を持つ普天間飛行場代替施設についても2014年までの建設の完成を目標とすることが合意された。
● 2006年7月に、米太平洋軍司令部は、「グアム統合軍事開発計画」を策定し、同年9月にホームページに公開した。その中で「海兵隊航空部隊と伴に移転してくる最大67機の回転翼機と9機の特別作戦機CV−22航空機用格納庫の建設、ヘリコプターのランプスペースと離着陸用パッドの建設」の記述。すなわち普天間飛行場の海兵隊ヘリ部隊はグアムに移転するとされた。宜野湾市では、この開発計画を2006年9月公開と同時に入手して翻訳して市ホームページ上で公開した。
● この「グアム統合軍事開発計画」について、宜野湾市としては普天間基地の海兵隊ヘリ部隊がグアムに移転する計画であるとしてきたが、前メア米国沖縄総領事は、紙切れにすぎないと言い、司令部機能だけがグアムに行くのだと主張した。しかし、この三年間この計画に沿ってすべてが進行しており、先週11月20日に、同計画に沿った「沖縄からグアムおよび北マリアナ・テニアンへの海兵隊移転の環境影響評価/海外環境影響評価書ドラフト」が公開された。ドラフトは、9巻からなり、約8100ページに及ぶが,概要版(Executive Summary)、及び第二巻「グアムへの海兵隊移転」と第三巻「テニアンへの海兵隊訓練移転」において、沖縄からの海兵隊移転の詳細が記述されている。海兵隊ヘリ部隊だけでなく、地上戦闘部隊や迫撃砲部隊、補給部隊までグアムに行くことになっている。 ● 2007年7月に、沖縄本島中部の10市町村長でグアム調査を行った。その際に、グアムのアンダーセン空軍基地副司令官に沖縄の海兵隊航空部隊の施設建設予定地を案内され「65機から70機の海兵隊航空機が来ることになっているが、機数については動いていて確定していない」との説明を受けた。
● 2008年9月15日に、海軍長官から米国下院軍事委員会議長に国防総省グアム軍事計画報告書として「グアムにおける米軍計画の現状」が報告された。その中で沖縄から移転する部隊名が示されており、沖縄のほとんどの海兵隊実戦部隊と、岩国基地に移転予定のKC130空中給油機部隊を除いて、ヘリ部隊を含め普天間飛行場のほとんどの関連部隊がグアムに行くと示された。米海兵隊第1海兵航空団で図示すると黄色で表示した10部隊。
● 2009年6月4日に米国海兵隊司令官ジェイムズ・コンウェイ大将が上院軍事委員会に「米国海兵隊の軍事態勢」に関する報告書を提出し、沖縄からグアムへの海兵隊の移転を評価して次のように記述している。
Defense Policy Review Initiative (DPRI) 日米再編協議の重要な決定事項の一つは、約8000人の海兵隊員の沖縄からグアムへの移転である。これは、沖縄で海兵隊が直面している、民間地域の基地への侵害(encroachment)を解決するためのものである。
グアム移転により、アジア・友好同盟国との協働、アメリカ領土での多国籍軍事訓練、アジア地域で想定される様々な有事へ対応するのに有利な場所での配備、といった新しい可能性が生まれる。
適切に実施されれば、グアムへの移転は即応能力を備えて前方展開態勢を備えた海兵隊戦力を実現し、今後50年間にわたって太平洋における米国の国益に貢献することになる。 グアムや北マリアナ諸島での訓練地や射撃場の確保が、海兵隊のグアム移転の前提であり必須条件である。
補足説明:侵害(encroachment) は、米国内での住民地域と基地の関係を表現するときによく使われる表現である。既存の基地が不動産開発などによって住宅地等が接近してくることで、基地の活動に支障をきたすことに繋がり、基地への脅威となる状況。 2.なぜ、司令部だけがグアムに行くとされてきたのか。
理由は、1996年のSACO合意だった海兵隊ヘリ部隊の辺野古移転のイメージを基にした国会審議での答弁や、米国政府関係者の意図的な「発言」だけが報道され、2006年5月の「再編実施のための日米ロードマップ」合意に基づいて太平洋米軍司令部が策定した「グアム統合軍事開発計画」と実行されている同計画に基づく環境影響評価などの「事実」は報道もされず、検証もされなかったことによる。 日本政府は、意図的に同計画について米国に照会することをせず、日米両政府は「グアム統合軍事開発計画」について「正式な決定ではない」として詳細は未定と押し通してきた。その結果、国会での答弁や日米政府関係者の発言は、「グアム統合軍事開発計画」について踏み込まず、2005年10月の「日米同盟:未来のための変革と再編」の合意の時点に固定されたままになった。結果的に、「発言や答弁」の報道に終始するマスコミの報道も同様となり、現在進行している「事実」は、国会議員にも政府関係者にも、国民にも共有されていない。
「日米同盟:未来のための変革と再編」(2005年10月)の記述 〇 第3海兵機動展開部隊(VMEF)司令部はグアム及び他の場所に移転され、また、残りの在沖縄海兵隊部隊は再編されて海兵機動展開旅団(MEB)に縮小される。この沖縄における再編は、約7000名の海兵隊将校及び兵員、並びにその家族の沖縄外への移転を含む。これらの要員は、海兵航空団、戦務支援群及び第3海兵師団の一部を含む、海兵隊の能力(航空、陸、後方支援および司令部)の各組織の部隊から移転される。
(この時点でグアムへの全部移転は明確になっていない。約7000名は、ハワイ、グアム、本土各地に分散配置を検討した模様。)
「再編実施のための日米ロードマップ」(2006年5月)の記述 〇 約8000名の第3海兵機動展開部隊の要員と、その家族約9000名は、部隊の一体性を維持するような形で2014年までに沖縄からグアムに移転する。 〇 沖縄に残る米海兵隊の兵力は、司令部、陸上、航空、戦闘支援及び基地支援能力といった海兵空地任務部隊の要素から構成される。
(第3海兵機動展開部隊全体が、沖縄からグアムに移転することになった。) 3. 最近の国会委員会での質疑及び参考人発言と政府答弁
171-衆-外務委員会-7号 平成21年04月08日 ○西原参考人 (財団法人平和・安全保障研究所理事長)(途中省略) 二番目の利点。沖縄に残る海兵隊の兵力は六千名から一万名となりますけれども、司令部、陸上、航空、戦闘支援及び基地支援能力は残ることになります。グアムに移転するのは主として司令部機能でありまして、即応性の高い強力な実戦部隊は沖縄にとどまることになります。
171-参-外交防衛委員会-9号 平成21年04月21日 ○佐藤正久君 (途中省略) 沖縄からグアムの方に行く海兵隊の部隊の種類、これをお聞かせください。 ○政府参考人(梅本和義君) これは、沖縄からグアムに移る海兵隊につきましては、ロードマップにおいても移転する部隊として、第三海兵機動展開部隊の指揮部隊、第三海兵師団司令部、第三海兵後方群、これは戦務支援群から改称されたものでございますが、司令部、第一海兵航空団司令部及び第一二海兵連隊司令部を含むということでございます。 ○佐藤正久君 要は、大きなVMEFと言われる部分の司令部、その下の師団の司令部、その下の連隊の司令部、後方支援連隊の司令部、そして航空兵団の司令部と、司令部機能の部分が移動するというロードマップにおける理解だと思いますけれども、ということはやっぱり、昨日の実は委員会での視察においても向こうから説明があったのは、今度は残る部隊はMEFという機動展開部隊のレベルから二つ下のMEBレベルに下がるんです、二つ下のMEBに下がるんですという説明がございました。(途中省略)残る部隊の主要なもの、これについてお聞かせください。 ○政府参考人(梅本和義君) 残る部隊の主要なものは、まさにMEB規模に再編されるわけでございますけれども、その中にキャンプ・ハンセン、キャンプ・シュワブにおりますこれは砲兵連隊それから歩兵大隊等、それから普天間におります海兵隊の航空部隊、そういうようなもの、それからもちろんMEBに規模は縮小されますけれども、そのための司令部機能等を持ったもの、それから、やはりまだ縮小されたものとして後方支援、兵たんを担当するユニットというものも残るというふうに承知をしております。
171-参-外交防衛委員会-11号 平成21年05月12日 ○参考人(川上高司君) 拓殖大学の川上でございます。(途中省略) 普天間基地には、ヘリ基地機能、それから空中給油の機能、緊急時の代替基地の機能の三つの機能があるわけですが、このうち、ヘリ基地機能、緊急時の代替基地機能は、大浦湾からキャンプ・シュワブ南岸部地域の代替施設に移転されます。(途中省略) 次に、抑止力の維持という観点から申し上げます。これは、なぜ実戦部隊の第31海兵遠征隊、31MEUが残されたかということに対する答えになります。31MEUの想定される任務は、朝鮮半島危機、台湾海峡への抑止と初動対応、対テロ作戦の実施、災害救助、民間人救出作戦などが考えられるわけであります。31MEUは、最大四隻の強襲揚陸艦で出動し、歩兵大隊、砲兵大隊混成の航空部隊及びサポートグループなどのエレメントで構成されるわけですが、各エレメントは平時は一つの駐屯地に集結しているわけではなく、緊急時になりましたら一つの部隊として集結し出動いたします。したがいまして、それぞれのエレメントが離れた場合、集結するまでに時間が掛かり、即応性が低下してしまいます。また、特にヘリ部隊の役割が大きく、歩兵とヘリを分散化することは困難になるわけであります。(途中省略)朝鮮半島有事や台湾海峡有事の際の邦人救出作戦、他国の軍隊が宮古、石垣、尖閣などの先島諸島に上陸を試みようとする場合には、一日、二日の遅れが致命傷となるわけであります。したがいまして、31MEUが県外移転された場合抑止効果は著しく低下することになるため、31MEUは日本の抑止力維持のために沖縄に駐留する必要があるわけであります。(途中省略)このロードマップが決まりました当時、私は海兵隊司令部でグッドマン海兵隊司令官にインタビューをしました。グッドマン海兵司令官は、抑止力を維持しながら大幅な在沖縄海兵隊を削減せよとの難題を命じられて随分頭をひねった結果、実戦部隊を沖縄に残すことにより抑止力を維持し、モビリティーのある司令部機能をグアムへ移転させることにより沖縄地元からの負担軽減をするように決断したという具合に述べておりました。
●指摘のMEB、31MEUの沖縄配備は困難
沖縄海兵隊の実戦投入部隊である第31海兵遠征部隊(31MEU)を沖縄に残すことは困難ではないかと思う。「沖縄からグアムおよび北マリアナ・テニアンへの海兵隊移転の環境影響評価/海外環境影響評価書ドラフト」が公開された「グアム統合軍事開発計画」は、アプラ海軍基地での海兵隊港湾施設整備計画を包含しており、佐世保の強襲揚陸艦エセックス、ドック型揚陸艦ジュノー、ドック型揚陸艦ジャマンタウン、ドック型揚陸艦フォートマックヘンリー、の停泊施設も整備される。今回の沖縄からのグアムへの海兵隊の移転は、第3海兵機動展開部隊、第3海兵師団、第1海兵航空団、第3海兵兵站群、第3海兵遠征司令部群など、沖縄の主要な海兵隊要素の全体としてのグアム移転であり、その隷下の部隊から選抜して編成する第3海兵遠征旅団や第31海兵遠征隊は、当然にグアムにおいて編成されて、アプラ軍港からエセックス、ジュノー、ジャマンタウン、フォートマックヘンリーに乗り込むことになると思う。積み込まれる装備も当然にグアムに移っており、アプラ軍港から積み込まれる。
2005年10月の「日米同盟:未来のための変革と再編」では、第三機動展開部隊司令部だけがグアムに移り、残りの沖縄海兵隊部隊は海兵機動展開旅団(MEB)となる予定だったが、全体がグアムに移転するので旅団規模にはならずより小規模となる。2014年以降は、沖縄はグアムからの演習先として位置づけられるのではないか。
(沖縄に残るとされる海兵隊員定数は、今のところ空(から)定数であり、実働部隊ではない) 4. それでは、辺野古沿岸に海兵隊飛行場を建設する必要があるのか。 ●普天間飛行場代替施設建設の経緯 1996年12月 SACO合意 (海上ヘリポート) (普天間飛行場のヘリ部隊が沖縄に留まることが前提) ○ 普天間飛行場のヘリコプター運用機能を移すための撤去可能な1300メートル滑走路を有する1500メートルの海上施設の建設。 ○ 岩国飛行場への12機のKC130機の移駐。 ○ 普天間飛行場の航空機、整備及び後方支援に係る活動で、海上施設又は岩国飛行場に移転されないものを支援するための施設を嘉手納飛行場に整備。 2002年7月 SACO合意に基づく沖合の軍民共用代替施設建設の閣議決定 (普天間飛行場のヘリ部隊が沖縄に留まることが前提) ○ 滑走路の数は1本、長さは、2,000メートルとする。面積は最大約184ヘクタールとする。代替施設本体は、長さ約2,500メートル、幅約730メートルとする。 ○ 代替施設の建設は、埋立工法で行うものとする。 ○ 建設場所は、辺野古集落の中心(辺野古交番)から滑走路中心線までの最短距離が約2.2キロメートル。 2004年7月、日米再編協議始まる。 2004年8月、米軍大型ヘリが宜野湾市内大学本館に墜落炎上。 2005年10月「日米同盟:未来のための変革と再編」を2+2で合意 (普天間飛行場のヘリ部隊を含め、海兵隊旅団が沖縄に留まることが前提) ○ (日米)双方は、普天間飛行場代替施設は、普天間飛行場に現在駐留する回転翼機が、日常的に活動をともにする他の組織の近くに位置するよう、沖縄県内に設けなければならないと結論づけた。 ○ キャンプ・シュワブの海岸線の区域とこれに隣接する大浦湾の水域を結ぶL字型に普天間代替施設を設置する。 ○ 滑走路及びオーバーラン合計の長さが1800メートル。格納庫、整備施設、燃料補給用の桟橋及び関連設備は、大浦湾に建設される予定の区域に置かれる。 ○ SACO岩国飛行場への移駐とされたKC130は、鹿屋基地が優先して検討される。 ○ 緊急時に新田原基地及び築城基地の米軍の使用を強化。運用施設を整備。 2006年5月「再編実施のための日米ロードマップ」を2+2で合意 (普天間飛行場のヘリ部隊を含めて沖縄の海兵隊はグアムへ移転する) ○ 普天間飛行場代替施設を辺野古岬と隣接する大浦湾と辺野古湾の水域を結ぶ形で設置し、V字型に配置される2本の滑走路はそれぞれ1600メートルの長さと2つの100メートルのオーバーランを有する。滑走路の長さは1800メートル。 ○ 普天間飛行場の能力を代替するために、新田原基地及び築城基地の施設整備。 ○ 民間施設の緊急時の使用を改善するために適切な措置。 (以上。) 以上に、経過を述べたが、普天間飛行場代替施設建設が必要とされた理由は、2005年10月の「日米同盟:未来のための変革と再編」に記述されたように、
(日米)双方は、普天間飛行場代替施設は、普天間飛行場に現在駐留する回転翼機が、日常的に活動をともにする他の組織の近くに位置するよう、沖縄県内に設けなければならないと結論づけた。 に尽きる。
これまでも、普天間飛行場のヘリ代替施設は、地上部隊と連動して活動する以上、地上部隊のいる地域から動かすことは困難であると国は説明してきた。
平成21年05月12日の川上高司参考人の発言も同様な考え方である。 ○参考人(川上高司君) (拓殖大学海外事情研究所教授) 31MEUは、最大四隻の強襲揚陸艦で出動し、歩兵大隊、砲兵大隊混成の航空部隊及びサポートグループなどのエレメントで構成されるわけですが、各エレメントは平時は一つの駐屯地に集結しているわけではなく、緊急時になりましたら一つの部隊として集結し出動いたします。したがいまして、それぞれのエレメントが離れた場合、集結するまでに時間が掛かり、即応性が低下してしまいます。また、特にヘリ部隊の役割が大きく、歩兵とヘリを分散化することは困難になるわけであります。
また、同参考人が「31MEUが県外移転された場合抑止効果は著しく低下るすことになるため、31MEUは日本の抑止力維持のために沖縄に駐留する必要があるわけであります。」と述べているように、沖縄に31MEUを駐留させなければ、抑止力維持ができないとする考えも根強い。 しかし、米国は、「グアム統合軍事開発計画」の実施は、日本のための抑止力の強化に繋がることを力説している。沖縄海兵隊の要である第31海兵遠征部隊(31MEU)についても、米国は当初からグアム移転の可能性をグアム準州政府に示している。現在取り組まれている環境影響評価が認可されてグアム統合軍事開発計画が実施されれば、31MEUはグアムに移ることになる。そのことを是認して、海兵隊のグアム移転を沖縄の負担軽減につなげることが必要だ。
鳩山新政権は、辺野古代替施設建設が必要とされる前提が、2005年10月の「日米同盟:未来のための変革と再編」のまま、住民地域の飛行を避けるためのV字型案の選択と沖合いへの50〜100メートルの移動の議論に終始してきたことを見直し、2006年5月の「再編実施のための日米ロードマップ」合意を、沖縄の海兵隊がグアムへ移転する実像から検証して、普天間飛行場代替施設としての辺野古新基地建設を見直し、建設を中止すべきである。 5. 辺野古の普天間代替施設に、米海兵隊総司令官も見直しを求めている。
2009年6月4日の上院軍事委員会で、米海兵隊総司令官ジェイムズ・コンウェイ大将が普天間代替施設についての質疑に次のように答えた。 「この海兵隊移転は4年ごとの国防見直し(QDR)で、他の海外施設と同様に、調整の必要性やコストなど一連の課題が検討されます。普天間代替施設の質(クォリティー)やその他すべてについて、きちんと検討するので、この計画についてもQDRで勧告がでると思います。」 「いくつかの修正案、検討に値する修正案はあります。計画の要のひとつ、普天間代替施設ですが、我々が沖縄で断念するもののための完全な能力を備えた代替施設であるべきです。グアムやその周辺の島々、その他アジア太平洋地域での訓練確保は懸案事項です。ですので、海兵隊が納得し合意するまで検討し、必要なら日本政府と交渉しなければならない、いくつかの課題はあります。」 と。
●以下は、関連する参議院外交防衛委員会の質疑。 171-参-外交防衛委員会-17号 平成21年06月09日 ○佐藤正久君 (途中省略)今月四日のアメリカ上院の軍事委員会の公聴会におきまして、海兵隊の総司令官のコンウェー大将の方が在沖海兵隊のグアム移転、あるいは普天間の代替飛行場等について修正をすべきではないかという旨の発言があったというふうに報道がされていますけれども、この発言の骨子について外務省の方にお伺いしたいと思います。 ○政府参考人(梅本和義君) ただいま御質問ございましたように、米上院軍事委員会の公聴会におきまして、海兵隊のコンウェー総司令官がグアム移転、それから普天間等について発言をされております。(途中省略)一つは、海兵隊の移転についても、四年ごとの国防政策の見直しの中で、(途中省略)検討がなされると見る方が安全であろうというようなことを言っておられまして、その中でまた、訓練や普天間代替施設の質といった、(途中省略)その他の問題についてもしかるべき検討がなされるであろうということを言っておられます。また、考慮に値すると考えられる修正点があり、幾つかのかなめとなる分野があると。普天間代替施設が、(途中省略)その能力を完全に代替する能力を持つ必要があるというようなこと。また、グアム、その周辺の島々、そしてアジア太平洋のその他地域における訓練の機会についても懸念があるんだと、こういうことを御発言になっているというふうに承知をしております。 ○国務大臣(中曽根弘文君) 政府といたしましては、このコンウェー海兵隊総司令官の発言、これの意図するところ、これは私どもが正確に知るところではありませんし、また、それを私たちが説明する立場にもないわけでありますけれども、米軍再編に関しましては、もうこれはロードマップ、これに基づいて着実に実施していくということで、日米両政府は、これは再三閣僚レベルでも首脳レベルでも確認をしていることでございます。今お話あったQDRでこの移転事業を見直すと、そういうような予定であるということも承知はしておりません。 6. 「グアム統合軍事開発計画」について、今年4月に外務委員会に報告。
171-衆-外務委員会-7号 平成21年04月08日 ○伊波参考人 おはようございます。沖縄県宜野湾市長の伊波洋一でございます。(途中省略) 宜野湾市では、米軍再編の流れについて、数年にわたり、国内だけでなく米国内の動きに注視し、要請行動や調査を行ってきました。以下にその概要を述べますが、その内容は、当初から詳細な計画案が示されてきました。最終的に、環境影響報告書の出そろう2010年当初に確定するものと思われます。 グアム移転の一方の当事者である米国では、米太平洋軍司令部が、2006年7月に策定中のグアム統合軍事開発計画を同年九月に公表しました。その内容は、重要部隊のグアム到着を2010年以降になるとしつつも、具体的な部隊構成や移転の順位まで示しました。その内容は、実戦部隊を含むもので、演習地、訓練地の詳細な検討も求めていました。
2007年7月に沖縄県中部市町村会の市町村長10名でグアム調査を行い、グアム統合計画室とアンダーセン空軍基地の責任者から説明を受けて、移転予定地の視察も行ってきました。詳細は資料のとおりですが、本市の抱える普天間基地の海兵隊航空戦闘部隊についても、アンダーセン空軍基地の受け入れ予定地を案内され、65機から70機の航空機と1500名の海兵隊航空戦闘部隊員が沖縄からアンダーセン基地に来る予定と説明されました。グアム統合計画室とアンダーセン基地の二カ所の説明で、沖縄からの海兵隊のグアム移転は、米軍のアジアを含む軍事的抑止力の強化につながることも強調していました。 その後も米国で幾つものレポートが出されましたが、ほぼ同じ内容です。最新のものとしては、2008年9月15日に、国防総省が海軍長官の報告書として連邦議会下院軍事委員会に提出した、国防総省グアム軍事計画報告書があります。 その中で、普天間基地の中型ヘリ部隊を含めて、具体的に部隊名を挙げて説明しています。現在、普天間飛行場とキャンプ瑞慶覧に常時駐留している海兵隊航空関連部隊では、KC130部隊関連を除いて、全部隊名がそのリストで、グアムに移転する海兵航空司令部要素として挙げられています。ロードマップでも、八千名の部隊は一体的にグアムに移転するとされていることから、私は、普天間基地の航空部隊は、KC130を除いて、グアムに移転するものと考えてきました。
グアムで増加する海兵隊員数は一万六百二十名とされていますが、内訳の少なくとも八千名は沖縄からの海兵隊員になるわけです。この人数は、常駐部隊数であり、一時駐留と区別されているもので、給付金や手当の受給資格を持つものとされています。ですから、先週委員会での議論があったような、幽霊定数人員がグアムに移転してくると太平洋軍やグアム群島政府が考えているとは思えません。 しかし、なぜ国は、沖縄からグアムに移転する8000人は主として司令部関係で、実人数ではないと説明するのでしょうか。国として海兵隊のグアム移転に60・9億ドルを負担するのなら、米国防総省のリストにも挙げられているように、沖縄で負担の大きい実戦部隊の移転を優先すべきです。普天間基地についても、海兵隊航空部隊を一日も早くグアム等へ、国外に移転させて、危険性の除去を実現し、沖縄の負担軽減に結びつくようにすべきです。明らかに、政府の説明責任が果たされていないと思います。
7. 「沖縄からグアムおよび北マリアナ・テニアンへの海兵隊移転の環境影響評価/海外環境影響評価書ドラフト」(抜粋仮訳) http://www.guambuildupeis.us/documents 2009年11月 環境影響評価/海外環境影響評価ドラフト グアム及び北マリアナ諸島軍事移転 Executive_Summary (ES−3ページ) ES―3 地球規模の戦略展望 米国は、西太平洋地域で軍事力を維持し、米国と同地域の安全、経済・政治的利益に寄与し、条約や同盟国との合意事項を履行している。 グァムへの海兵隊移転 太平洋地域での新しい安全保障環境に対応するため、総合的地球規模のプレゼンス及び基地設置戦略(IGPBS)と4年ごとの基地見直し(QDR)イニシアティブは、太平洋地域での米軍態勢の再編に取り組んだ。これらのイニシアティブのひとつは、予測不可能な状況がどこで発生しても、柔軟で迅速な対応を可能にする場所に基地設置を目指し、同時に海外の米軍基地を削減しようというものであった。太平洋地域の米軍再配置と作戦上の再編に関するQDRの勧告に基づき、国防総省は沖縄の海兵隊の適切な移設先を(1)条約や同盟上の要件(2)紛争の可能性がある場所への配備時間(3)活動の自由(規制のかからない基地使用)の条件を満たす場所に求めた。 2002年12月に開始されたIGPBSイニシアティブと並行して、米国は日本政府と在日米軍の態勢見直しの調整、太平洋の他の米軍再編と一番良い調整の仕方を協議した。その後3年半以上かけて米国と日本政府は、米国務長官、米国防長官、外務大臣、防衛大臣で構成される閣僚級の条約監視機関、日米安全保障協議委員会(SCC)で継続的に協議を重ねた。一連の協議は防衛政策見直しイニシアティブ(DPRI)として知られ、急速に変化する世界の安全保障環境に合わせ、日米安保体制の在り方を進化させようとするものであった。地球的米軍再編のなかで在日米軍の見直し協議の役割を担ったDPRIでは、在日米軍態勢と日米同盟を取り巻く西太平洋地域での軍事能力の変化に特に注目しながら、戦略・作戦上のレベルでの同盟関係変革に焦点を当てた。 最終的に、これら一連の協議・交渉は、日米同盟変革と再編合意(ATARA)として実を結ぶ。再編合意にいたる過程で、日米両政府は両国の防衛協力、日本の防衛と日本周辺の有事の際の対応に関し次の基本的な考え方を確認した。 (1) 両国の防衛協力は、日本の安全保障及び地域の平和と安定にとって不可欠である。 (2) 日本防衛のため、そして日本周辺エリアで抑止力を行使し事態が起これば対応するため、米国は前方展開軍を維持し、必要な際は兵力を強化する。 (3) 米国は、日本防衛のためにすべての必要な支援を行う。 (4) 日本防衛のための日米の軍事活動と日本周辺事態への対応は、周辺事態が軍事攻撃へ発展する脅威である時、あるいは日本に対する軍事攻撃が起こりうる可能性がある時の適切な対応と整合性がとれている。 (5) 米国の攻撃能力と米国による核の抑止力は、日本の防衛を確実にし、地域の平和と安定に寄与するため、日本防衛能力と軍備に対し不可欠で補完的な役割を果たしている。 2006年5月1日、日米安保協議委員会(SCC)で、両国は米軍再編イニシアティブである「再編実施のための日米のロードマップ」を締結し、同盟協力は新しい段階に入った。ロードマップでは、様々な再編の詳細が述べられている。日米安全保障条約及び以後締結された日米合意は、米軍がアジア・太平洋地域の紛争地域に迅速に対処するよう義務づけている。この責務と矛盾しない形で、再編合意とロードマップのイニシアティブでは、8000人の海兵隊員とその家族9000人を沖縄からグアムへ2014年までに移転させるよう求めている。これらの海兵隊をグアムへ移転させることは、太平洋上の米国領土で最前方の配備地へ海兵隊を置くことである。グアムは海兵隊のプレゼンスを支援できる能力があり、沖縄と比較しても、活動の自由を最大限得られ、配備にかかる時間の増加を最小限に押さえることができる。 米軍再編合意とロードマップでは、日本政府は費用分担の枠組みに合意し、海兵隊の沖縄からグアムへの移転に伴う施設建設費として最大60億9000万ドルを負担することになっている。この費用分担の合意は、日本の防衛と安全保障に対する米国の責務を、(沖縄から移る)グアムの海兵隊が将来も支え続けるということに他ならない。国際的な約束としての財政支援、米軍再配置は、2009年2月17日の「第3海兵機動展開部隊の要因及びその家族の沖縄からグアムへの移転の実施に関する日本政府とアメリカ合衆国政府との間の協定」(グアム国際協定)という合意文書にまとめられ、米国務長官と日本国外務大臣によって署名された。この協定は、同年3月13日、日本の国会で承認され、それぞれの法的手続きに沿って米国の連邦議会に送達された。 テニアンでの訓練 移転してくる海兵隊の訓練すべてをグアムでは行えない。テニアンはグアムから100マイル(160キロメートル)離れており、広い土地が使えるため200人規模かそれ以上の海兵隊訓練には最適な場所である。確実なアクセスと兵器や装備を使った現実的な訓練の機会を最大限提供できるとともに、訓練地への移動時間によるロスを最小限にすることができる。テニアンの北部、3分の2の土地は米国防総省が借りている。中隊及び大隊レベルの非実弾射撃訓練地はすでに存在し使用されている。これらの訓練地は、実弾射撃レンジとして整備できる可能性がある。 グアムでの海軍一時配備航空母艦能力の展開 2006年のQDRは、太平洋地域での米国の関与、プレゼンス、抑止力、現在の米艦船の補完、寄港、日本の原子力空母の母港化を支援するため、同地域で航空母艦のさらなる展開の必要性を米軍再編戦略と位置づけている。寄港とは、短期間の整備のための限られた港の使用である。それに対し、一時配備寄港とはQDR戦略に沿って、艦船整備や乗組員の生活の質(クオリティオブライフ)を支援するためより長期に滞在する配備である。QDRと条約及び同盟関係の要件に基づき、国防総省は太平洋地域で新しい一時配備空母を受け入れる以下の要件を満たす場所を特定した。 (1) 条約及び同盟関係要件 (2) 紛争地域への展開にかかる時間 (3) 活動の自由(テロ攻撃を抑止/回避するため軍隊保護措置の実施等を含む、規制がかからない基地使用) 2006年QDRの考え方は、予測不可能な状況下のどこへも即応でき柔軟性が発揮できる場所に軍隊を配置するよう努力すべきだ、というものである。グアムで空母の一時配備される計画は、これらの要件をすべて満たしている。 (ES−6ページ) ES−1表 グアム軍関係者数の変化
*空母とCSGの人員として最大7,222人が、年に63日以内(1回に21日かそれ以下)一時配備される計画。海兵隊の艦船はアプラ港に停泊し、最大で6,213人の増加が見込まれている。この2つの配備は同時には起こらず、今回の評価では多い方の人員7,222人を採用した。 (ES−7ページ) ES−2表 グアム島以外からの人口増加(間接、直接、誘発的)
(ES―16ページ) 今後の訓練場開発 沖縄からグアムへ移転する海兵隊を含むすべての海兵隊は、海兵空地機動軍(MAGTF)の中枢能力を得る訓練を行わなければならない。この訓練により、前方配備の海兵隊は、中枢能力である作戦上の即応能力を培い、戦闘司令官に割り当てられた作戦上の役割を果たすことになる。この訓練のレベルは、大規模な戦闘活動の準備として共通指揮部隊の下、地上、航空、兵站の要素が統合されたものであり、グアムやテニアンのレンジで行われている個々の実弾射撃適格検査や資格更新のための訓練を越えるものである。現在グアムやテニアンで計画されている訓練場は、沖縄にある個人の技能や能力を高める訓練施設の模倣であり、海兵隊員としての中枢能力を維持するために必要なすべての集合的、集団的、実弾訓練や戦闘機動訓練を行う施設ではない。現在、日本本土、他の友好国、米国まで移動しこれら中枢能力を養うために必要な訓練を行っている沖縄の海兵隊のように、沖縄からグアムへ移転する海兵隊もこの必要な訓練ができる場所で訓練を行わなければならない。 海兵隊は最終的には、訓練のための移動時間を削減し、作戦上活動が停止する状況を減らしたいと望んでいる。西太平洋地域で現存の訓練場所の再評価や、中枢能力訓練を行う新しい高度な統合訓練施設が求められている。西太平洋地域での訓練場所の問題と他の軍隊の訓練の必要性の一部として、国防総省は2010年QDRにおいて西太平洋地域のすべての訓練要件を評価している。この作業の一部として、QDRでは特に北マリアナ諸島で、兵器、実弾射撃、大規模機動訓練が一体となった、海兵隊の高度な訓練施設の必要性について評価することになっている。 2010年QDRでは、戦域内での海兵隊訓練の必要性や、訓練のための移動時間を制限することにより活動への支障を最小限に抑えた即応の実戦配備部隊を戦闘司令官に提供することを勧告する見通しである。これらの勧告が結果として国家環境政策法または大統領命令12114が求める環境影響評価が必要な計画になる場合は、国防総省は計画の実施前の環境評価を行うであろう。これらの計画及び関連の環境影響評価は、現在進行中の沖縄からグアムへの海兵隊移転計画とは別の計画として扱われ、移転計画とは独立したユーティリティを持つことになる。更に、QDRの検討プロセスにより出された活動計画は、沖縄からグアムへの海兵隊移転計画との結びつきはない。 海兵隊移転−テニアンでの訓練(第3巻) テニアンで計画されている訓練活動は、移転してくる海兵隊の個人から中隊レベルの維持訓練である。維持訓練とは、海兵隊の戦闘即応能力を維持する訓練である。テニアンで行われる訓練は、グアムを拠点として駐留する海兵隊の戦闘即応能力を維持するために不可欠である。テニアンで計画されている訓練施設は、グアムでは得られない訓練能力を提供し、大隊部隊上陸や大規模機動訓練などの戦術的シナリオ訓練を可能にする。 グアムとテニアンは北マリアナ諸島でも、軍事目的に限った使用が可能な国防総省の土地を有する島であることから、テニアンは最大限利用できると考えられていた。国防総省は、北マリアナ諸島から軍事エリア(MLA)の土地を貸借しており、テニアンでは北部の15,353エーカー(6,213ヘクタール)の土地が軍事エリア(MLA)である。テニアンのMLAの2区画で現在訓練が行われている。排他的軍事使用エリア(EMUA)は北部の7,574エーカー(3,065ヘクタール)で、賃貸借契約付き売却エリア(LBA)はテニアン中部の7,779エーカー(3,848ヘクタール)である。中隊及び大隊規模の実弾を使用しない射撃訓練施設はすでにこれらのエリアに存在する。訓練要件の分析は、ES-3図に示した。ES−3aは、テニアンでの海兵隊訓練の計画とそのほかの選択肢である。
第1巻 計画案とその他の選択肢 第1章 目的と活動の必要性 (1−11ページ) 1.2.5 マリアナ諸島の複合訓練施設(MIRC) (略) 別の計画として、マリアナ諸島の複合訓練施設(MIRC)の整備(グレードアップ)と改修工事について、別の環境影響評価/海外環境影響評価(EIS/OEIS)で分析がなされた。グアムと北マリアナ諸島軍事移転に関するEIS/OEISは、マリアナ複合訓練施設で行う訓練について2015年まで、現在の訓練あるいは訓練の基本的状況を前提に環境影響評価を行った。 マリアナ複合訓練施設の拡大は1.1−2の図に示している。外洋と海岸エリアの501,873平方海里(1,721,376平方キロメートル)に及んでいる。マリアナ複合訓練施設は、主に次の3つのエリアで構成されている。 (1) 海洋表面と水面下エリア (2) 特別使用空域(SUA) (3) 陸上訓練エリア (中略) 海兵隊はマリアナ諸島で常駐基地を持たないが、一時駐留という形でマリアナ複合訓練施設を使用している。以下に海兵隊が現在どのようにマリアナ複合訓練施設を使用しているか述べる。今後在沖海兵隊のグアム移転で施設使用回数が増え、使用度合いが強化されることになるだろう。 (中略) 移転している海兵隊を支援する訓練案のコンテクスト(背景)を理解するためには、現在の訓練インフラと訓練状況を把握することが必要である。 (中略) グアム。訓練は島内の様々な施設で行われている。 *攻撃支援:攻撃支援は、戦闘地域への、あるいは戦闘地域内での兵士、物資、装備の空輸を必要とする活動である。海兵隊が提供するヘリコプターの攻撃支援は、指揮及び管理、兵士輸送/後方支援、偵察、捜索及び救助、医療措置のための避難、偵察チーム投入/撤退、そしてヘリコプターの調整と管理機能である。(中略)攻撃支援には、戦術、戦略、実戦上の3つのレベルがある。ポラリスポイント飛行場、オロテポイント飛行場、海軍・空軍バリガダ、海軍通信基地、NMS海軍基地、アンダーセン空軍基地南、ノースウエストフィールド、アンダーセン主要宿営地、海軍主要基地これらすべての基地が、攻撃支援訓練の場所となる。これら臨時の訓練場所から、海兵遠征部隊(MEU)司令官は、マリアナ複合訓練施設で行っている攻撃訓練に攻撃支援のヘリを派遣する。 (中略) テニアン。 テニアンには2つの飛行場(ノースフィールド、ウエストフィールド)がある。ノースフィールドは第2次世界大戦中に建設された広大な飛行場跡で、今でも緊急時着陸やC−130航空機の短距離離着陸、ヘリコプターの運用が可能である。(中略)テニアンはMEUの地上訓練、航空訓練、非戦闘員の避難訓練、飛行場占領訓練、遠征飛行場訓練、そして特殊戦闘活動などの航空機を使用した訓練が可能である。 (1−14ページ) 1.2.5.2 本環境影響評価で考慮されている訓練活動 (中略) グアム及び北マリアナ諸島軍事移転に関する環境影響評価/海外環境影響評価は、マリアナ複合訓練施設環境影響評価の推奨計画として2015年まで現在の状況が継続するという前提、海兵隊移転前の活動をベースにして分析されている。そのうえで、本環境影響評価は、マリアナ複合訓練施設の環境影響評価が作成されている時点では予想していなかった追加的、想定的な訓練要件と提案変更について第2巻、第3巻で分析している。 (1−16ページ) 1. 4 世界的背景 (中略) 米国は長年にわたる国際的相互防衛条約を7つ締結しており、そのうち5つの次の条約を西太平洋地域で結んでいる。 *米国―フィリピン(1952年) *ANZUS(オーストラリア、ニュージーランド、米国、1952年) *米国―韓国(1954年) *東南アジア集団的防衛条約(米国、フランス、オーストラリア、ニュージーランド、タイ、フィリピン、1955年) *米国―日本 例えば、1960年に締結された相互協力及び安全保障条約と呼ばれる日米条約は、国際的協力と将来の経済的協力の発展を総則としている。(中略)この総則は、軍事力を自衛のみに制限する日本国憲法と整合性が取れるよう、慎重に作成されたものである。 (1−17ページ) 1.4.1 変化する世界的安全環境 総合的地球規模のプレゼンスと基地設置戦略(IGPBS)と4年ごとの基地見直し(QDR) (中略) (1−18ページ) 1.4.2 海兵隊 (中略) 1.4.2.1 条約と同盟の要件 在沖海兵隊の約半数をグアムへ移転させるという計画は、条約や国際防衛協力、そしてフィリピン、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、日本、タイといった西太平洋地域の米国の同盟国と日本との同盟関係の要件を満たしたものでなければならない。 (中略) 防衛政策見直しイニシアティブ(DPRI) (中略) 日米両政府は、前方展開米軍の抑止効果と米軍プレゼンスによる負担の軽減という沖縄県民の強い要望とのバランスを考慮しながら交渉し、これら目的を達成するための相互につながりを持ち実現可能な措置と適切な財源措置を講じた。その中には、海兵隊普天間飛行場の海兵航空能力を新施設へ移転すること、在沖海兵隊とその家族のグアム移転、沖縄に残る海兵隊の統合及び基地返還を含んでいる。 (中略) 1.4.2.2 対処(配備)時間 (中略) 太平洋で米軍移転先の候補地として検討されたのは、米国領土ではハワイ、アラスカ、カリフォルニア、そしてグアムである。海外では米国の同盟国で常駐基地設置の有利な条件もあり戦略的軍事展開の好適地ということから韓国、フィリピン、シンガポール、タイ、オーストラリアが候補にあがった。 (中略) 1. 4−1表は、ハワイ、アラスカ、カリフォルニア、グアムから沖縄、台湾まで空、海ルートを使った場合の対処(配備)時間である。表が示しているように、グアムの前方配備軍は、ハワイ、アラスカ、カリフォルニアに比べ、太平洋の場所へ配備される時間がかなり短い。 1.4−1表 東南アジアへの空・海路の対処(配備)時間
1. 4−2表は、フィリピン、韓国、タイ、オーストラリアから沖縄、台湾まで空路、海路を使用した場合の対処(配備)時間である。表が示しているように、フィリピン、オーストラリア、タイに比べ、韓国の前方配備軍が最短時間で沖縄、台湾へ到着する。米国領土の候補地と比較すると、グアムからの配備時間は韓国などのアジア諸国からの配備時間と大差ない。韓国の前方配備軍が最短配備時間ではあるが、朝鮮半島の安定という任務を担っており、歴史的にも即応可能な軍隊を韓国から派遣したということもない。しかも、日本との防衛政策見直し協議が進行していた時には、韓国でも米軍プレゼンスの削減を交渉していた。 1. 4−2表 西太平洋地域内で沖縄、台湾までの空・海路の対処(配備)時間
(1−23ページ) 1.4.2.4 海兵隊移転計画の世界的背景 (中略) 1.4−3表 移転候補地分析の概要
1.4.2.5 北マリアナ諸島での海兵隊基地設置と訓練の可能性 スコーピングミーティングの間、寄せられた意見に基づき、北マリアナ諸島での海兵隊の基地設置の可能性が検討された。(中略)テニアンの基地設置を支援するインフラには限界があり、水深のある港も無い。テニアンは訓練地として引き続き注目されているものの、基地設置の候補地としては除かれた。 (中略) 国防総省は、グアムに多くの施設を有しており、グアム島の29%にあたる40,000エーカー(16,187ヘクタール)の土地を所有している。米軍はアンダーセン空軍基地に航空機動軍団を配備し、世界的な機動能力を維持している。この能力は、移転してくる海兵隊やその他の軍の前方展開を支援するものでもある。アンダーセン空軍基地の滑走路は、すべての戦略的輸送、戦略的爆撃/攻撃航空機を含む戦術・戦略航空機の運用が可能である。同様に、グアム海軍基地も海兵隊及びその他の軍を搭載し艦船輸送で展開できる能力を備えている。医療及び生活支援(クオリティオブライフ)施設もグアムで確保できる。
(2−1ページ) 第2章 軍事活動計画案とその他の選択肢 2.1.1 活動案概要:グアムの海兵隊基地設置 活動計画案は、グアムに海兵隊作戦基地を設置するためのすべての必要な施設、訓練施設の建設及び当該施設の運用から成る。約8,600人の海兵隊員とその家族が沖縄からグアムへ移転する。約8,600人の海兵隊とは、移転部隊の隊員とその軍事任務のために必要な基地支援の隊員を含む。 以下の4つの軍事要素の移転が予定されている。 第3海兵遠征軍(MEF)の司令部要素。第3海兵遠征軍は、海兵隊の前方展開部隊である海兵空陸機動部隊(MAGTF)である。迅速に展開し人道的支援、災害救援から、水陸両用強襲及び高強度戦闘まで対処できる能力を備えている。MAGTFの司令部要素は主に司令部及び支援組織である。配置(コロケーション)と通信の連結性は施設設置の主要な要件。予定隊員数:3046人。 第3海兵師団部隊の地上戦闘要素(GCE)。GCEは、敵の居場所を突き止め、射撃、機動作戦、接戦で敵を破壊する任務を与えられている。歩兵、装甲車両、迫撃砲,偵察、対戦車等の戦闘装備を提供する。師団司令部と傘下の組織から成る。地上戦闘及び戦闘支援組織は、射撃場や訓練地、伝統的な基地支援施設の近くに配置されることが求められる。予定隊員数:1100人。 第1海兵航空団と付随部隊の航空戦闘要素(ACE)。ACEは、海上及び陸地にある様々な施設から海兵空陸機動部隊(MAGTF)の支援任務にあたる。強襲上陸やその後の作戦支援が重要な任務である。ACEは、海兵航空団司令部、遠征及び駐留部隊の支援組織から成る。飛行中隊とは違い、航空司令部や一般的な支援機能は飛行場や上位司令部の近くに置くことができるものの、必ずしも飛行場に配置する必要はない。予定隊員数:1856人。 第3海兵兵站グループ(MLG)の兵站戦闘要素(LCE)。地上戦闘部隊や航空戦闘部隊の能力を超えたすべての支援機能を提供する。機能は、通信、工兵、車両運搬、医療物資、整備、空輸、そして上陸支援である。LCEは、第3海兵兵站グループ司令部と支援組織から成り、MEFの残りの部隊に様々な直接的兵站支援を提供する。司令部機能は軍司令部や他の司令部の近くに設置する。LCEの間接的及び産業的支援施設は、支援活動がおこなわれる場所の近くに配置され、道路、港、飛行場への効率的なアクセスを確保し、最大限効率的な運用をはかる。予定隊員数は2550人。 以下の部隊と大まかな隊員数が、大規模な一時配備の部隊として予定されている。 ● 歩兵大隊(800人) ● 迫撃砲兵隊(150人) ● 航空部隊(250人) ● その他(800人) (2−2ページ31行目) 以下は4つの施設機能である。 1. 海兵隊宿営地機能 2. 訓練機能 3. 飛行場機能。提案されている海兵隊移設計画では、航空部隊と航空支援部隊を含み、そのための滑走路、格納庫、整備、物資、そして管理施設が必要である。現在のアンダーセン空軍基地で行っている運用と同程度で共存可能な航空搭載運用が必要とされる。航空搭載とは、荷物の積み下ろしや乗客の乗り降りを意味し、民間航空のターミナルと同様な機能である。 4. 沿岸機能 (2−5ページ) 以下は、合理的な他の選択肢のない計画である。 ●航空訓練は、現存の訓練エリアの使用可能な場所で行われる。航空訓練は、アンダーセン空軍基地、ノースウエストフィールド(NWF)、オロトポイント飛行場の舗装された滑走路で行われる。空対空、空対地訓練などの特別な訓練は、北マリアナ諸島及び国際空域の現存の飛行訓練エリアで行われる。改修工事を必要としない垂直昇降ゾーンはアンダーセンサウスやNMS(海軍基地)で確保する。 (2−50ページ) 2.3.1.5 航空訓練 グアムへ移転してくる海兵隊に付随する航空訓練の種類と施設要件は2.3−2表で示している。グアムでの海兵隊航空訓練の要件は、2.3−3表の航空機と乗員数を基に評価している。現在の計画では、計25機の航空機と50人の乗員がグアムを本拠地とする(based)ことになる。 2.3−3 計画案で投入される航空機と乗員
(2−68ページ) 2.4.1.1 航空戦闘要素(ACE)ベッドダウン(訓練施設以外の施設) ACEベッドダウンは、常駐または一時配備の海兵隊航空機を支援するため作戦、整備、管理施設が必要とされる。 (2−71ページ) 2.4−2表は予想される航空機投入である。 2.4−2 航空機投入計画
(2−78ページ) 2.5 計画案:沿岸部機能 2.5.1 要件 2.5.1.1 概要 グアムへの海兵隊移転の結果、太平洋戦域での有事、人道活動及び訓練のため、グアムに駐留する海兵隊及び通過水陸両用部隊の水陸輸送を支援するため、搭載活動が頻繁に行われることになる。海軍水陸両用機動部隊と海兵遠征部隊(MEU)は、伝統的にグアムへ寄港したり、グアムへ訓練に訪れる一時配備の部隊である。配備回数は作戦上の任務次第である。しかし、訓練のために一時配備される回数は、年に約2回ほどである。計画では、一時寄港回数は増加する見通しで、水陸両用機動部隊のグアム一時配備は作戦上の要件によるものの、海兵隊のグアム移転により年に2回から4回ほど増加する予定である。水陸両用部隊の構成は、任務により異なる。典型的な形としては、水陸両用作戦を支援するため水陸両用車、装備、隊員を輸送する3隻の艦船と、それを護衛する水上戦闘艦が4隻で構成される。さらに、海軍の対潜水艦及び攻撃部隊の水上、水面下装備が付随する場合もある。一時配備のMEUと関連していない海兵隊と物資の、グアム、テニアン間の輸送は主に空輸で行われる予定である。 計画案では、グアムを訪れるMEUの訓練は年に少なくとも2回増加(年に計4回)し、1回の訓練は3週間行われる。マリアナ諸島での訓練計画や任務要件次第では、MEUは沖縄あるいはカリフォルニアからグアムへ配備され、テニアンへ行くか、あるいは戦術的艦船で直接テニアンへ入り機動訓練を行う選択肢もある。グアムでの訓練のため、航空機はアンダーセン空軍基地のノースランプで駐機し、水陸両用艦船の隊員と水陸両用艇はアプラ港で降ろされる。兵隊と装備はグアムの訓練/機動訓練エリアで野営する。護衛戦闘艦は、水陸機動部隊に同行する場合もあるし同行しない場合もある。
※平成21年12月11日「普天間基地のグァム移転の可能性について」配布レジュメ(PDFファイル:372KB) ※ 「普天間基地のグァム移転の可能性について」プレゼンテーション資料(PDFファイル:11,234KB)
更新日:平成21年12月18日 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||